大阪府歯科医師会学術講演

平成29年11月9日大阪府歯科医師会にて「ビスフォスフォネート製剤と歯科治療について」と言う表題でシンポジウムがあり参加しました。講師は関西電力病院 薬剤部長 中央診療センター長 大阪府薬剤師会理事 濱口良彦 先生、大阪臨床整形外科学会 副会長 ますだ整形外科クリニック 院長 増田博 先生、兵庫医大 歯科口腔外科学教授 岸本裕充 先生。

濱口先生からは、どのような薬剤でも5剤内服すると骨折のリスクが2倍になる、骨粗鬆症患者は推定1,000万人、ステロイド治療すると骨折リスクが7.5倍以上になる、年に1回投与の薬剤は見落としてしまうので注意する事、整形外科だけでなくどの科からもまんべんなく処方されている事等を教えて頂きました。

増田博先生からは、ビスフォスフォネート剤を使用しないようにするためには、40代までにカルシウムをしっかり摂取し運動をすること、大腿骨骨折が1回起こったら他部位の骨折も起こりやすくなり寿命を縮める事、ビスホスホネート製剤以外の薬剤についての説明等を教えて頂きました。

岸本裕充先生はビスホスホネート製剤の専門だけあり、歯科医師にとって日々の疑問に即答していただける素晴らしい講演でした。患者様への説明としてBRONJ発生率は1,000人に1人 999人は何も起こらないと説明している事、発症は投与5年に急増する事、休薬は必須ではない事、抜歯が原因ではなく潜在性BRONJがあり抜歯により顕著になる事、兵庫医大ではビスホスホネート製剤投与の患者様に抜歯をしても適切な処置をしていればBRONJ発症が1例もないこと等を教えて頂きました。

最近は当院でもビスホスホネート製剤内服患者様の抜歯を行っています。しかし、一番は口腔衛生状態を良くすることです。予防歯科の重要性を再認識しました。

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