令和5年3月12日(日)東京都新宿区の国立国際医療研究センター病院にて日本歯科医師会主催・日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会協力の上記講習会に参加しました。日本歯科医師会の研修は素晴らしい講演が多いので応募しても中々当選せず、やっと念願がかないました。参加者は40名、全国各地から参加していましたが、大阪府からは最多の6名が参加されていました。大阪府歯科医師会会員の熱心さが垣間見えました。
9:05~嚥下機能および嚥下障害に関わる総論 荏原病院耳鼻咽喉科医長 木村百合香 先生
統計学や基礎医学に関する講義でした。先生は眠くなる?と仰っておりましたが、面白く勉強になりました。誤嚥性肺炎による死因は日本が突出しているそうです。2位のアメリカの2倍以上、西側諸国の4~10倍以上。平均寿命が突出しているのもあるそうです。また、私は頭部外傷や神経筋疾患の患者様を沢山診てきました。なぜ摂食嚥下障害を起こすのか、いかに対処すればいいのかが、解剖学的によくわかりました。
10:00~嚥下障害の評価・診断法
愛知医科大学耳鼻咽喉科教授 藤本保志 先生
今回、摂食嚥下評価が最も関心が高い分野でした。根本的にどこまで攻めるか、また寿命と諦めるか、今までずっと悩んでいました。しかし、藤本先生はこの質問に的確に答えて頂きました。
「家族の方と1回だけでなく頻回に話し合いをするのが大事です」
全くその通りでした。私としたことが、一番肝心な事を忘れていました。
また内視鏡でいかに評価するのか、嚥下の瞬間はホワイトアウトするから意味が無いと違うのかと、常々疑問に思っていましたが、診るべきところはたくさんありました。解剖学的に問題のある器質的疾患・がん・正常な動きができていない・クリアランスの低下等沢山の評価方法がありました。
10:55~嚥下内視鏡検査の実際
高知大学医学部耳鼻咽喉科教授 兵頭政光 先生
具体的な内視鏡の使用方法や評価方法を教えて頂きました。この時点で、摂食嚥下には内視鏡が必要だと実感しました。(もう買う気満々です笑)新しい医学に接した気分で、大変興味深かったです。特に評価表はぜひ取り入れようと思いました。
12:30~摂食嚥下障害への栄養管理について
聖隷佐倉市民病院耳鼻咽喉科部長 津田豪太 先生
内視鏡から離れて栄養に関してですが、在宅では栄養摂取も重要になります。医科の先生と対等に話すことができるような内容でした。
13:30~摂食嚥下機能療法
じんだい耳鼻咽喉科院長 唐帆健浩 先生
講師の先生の体調が悪く、ビデオでの講義でした。摂食嚥下訓練をどのようにするか、また評価方法をどのようにするか詳しく聞くことができました。
14:30~嚥下障害の外科的治療
国立国際医療研究センター 耳鼻咽喉科 頭頚部外科 科長 田山二朗 先生
摂食嚥下障害の外科治療に関しては不勉強で全く知識がありませんでした。いろんな術式を教えて頂き、大変参考になると思いました。歯科大学でもぜひ教えるべきです。
15:40~嚥下内視鏡検査(実技実習)
2人1組で相互実習をしました。痛いのかと思いきや、結構楽な検査でした。パンを食べてみましたが、残渣がかなり残っており食材によって誤嚥のしやすさが良く分かりました。また内視鏡の挿入ですが、初めは少し難しく感じましたが、すぐに使えるようになりました。内視鏡欲しくなりました。
日本歯科医師会主催でしたので、期待通りの大変良い講習会でした。ただ、内容が濃く再受講したいと思いました。また摂食嚥下訓練を行う歯科衛生士さんにも受けていただきたいので、オンラインで受講できればいいと思いました。
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